「SNSやソフトに救われた」。史上最年長で初タイトルを獲得した将棋の木村一基王位が12月6日、東京都内で開かれた就位式に臨み、タイトル獲得の要因の一つに新しいツールの活用を挙げて喜びを語った。
木村は第60期王位戦七番勝負(新聞三社連合主催)で挑戦権を獲得。7回目となるタイトル戦の相手は、7月の開幕の時点で王位と棋聖を保持して三冠の豊島将之名人だった。木村は謝辞の中で、「4連敗しないように、(2日制対局の2日目にある)大盤解説会の前に終わらないようにと考えた」と開幕前の心境を明かした。第1局から2連敗したが、その後に巻き返して4勝3敗で勝利。46歳3カ月での初タイトル獲得は、引退した有吉道夫九段の37歳6カ月を大きく上回る最年長記録だ。
将棋界は近年、人工知能を搭載した将棋ソフトを活用した研究が若手を中心に盛んだ。木村は「数年前から現状を維持することは難しくなっている。ソフトを採り入れた研究の結果が少し出たのかな」と分析し、「ツイッターとかSNS上の応援の声も届いてきた。時代に取り残されるかもしれないという年代にありながら、ソフトやSNSに救われた。次のシリーズが始まるまでの7カ月、浮かれずに精進したい」と述べた。
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