主任研究者-平原潔-
肺が硬くなり呼吸ができなくなってしまう肺線維化を誘導する新たな機構を明らかにすることを通じて、以下の3つの治療法開発が期待されます。
(1)肺の線維化を予防する治療法の開発
(2)肺の線維化の悪化を防ぐ治療法の開発
(3)線維化した肺の機能を回復させる治療法の開発
全世界でパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染による肺炎や重症喘息の患者さんのなかには、激しい炎症の結果、肺が硬くなることが少なからず生じることが明らかになり、大きな社会問題となっています。
肺が硬化(肺の線維化)が進行すると、呼吸することがとても苦しくなり、場合によっては、24時間の酸素吸入(在宅酸素療法)が必要になってしまいます。
また、原因が不明で肺が硬くなる病気である特発性肺線維症の患者さんは日本国内だけでも1万人以上存在し、診断後5年以内に50 – 70%が死に至るきわめて予後不良の疾患です。
特発性肺線維症は、根治的な治療法は今のところ一切ありません。
そこで本研究では、慢性炎症による肺の線維化を誘導する機構を明らかにし、肺の線維化に対する新たな治療法を確立することを目的にします。
千葉大学医学部
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